シーザリオの血脈を追い続けてきたこのシリーズも、ここで一つの区切りを迎えます。だが、それは終わりではありません。むしろ今は、“次の主役たち”が静かに、しかし確実に姿を現し始めた転換点です。2歳から3歳へ──競馬界が最も未来を映し出すこの世代に、シーザリオ・ファミリーの血は、これまでとは違った厚みと多様性をもって広がっています。
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まず注目したいのが、エピファネイア産駒フィロステファニとベレシートです。エピファネイアらしい大きなストライドと、レース後半でも脚色の衰えない持続力。派手な切れ味よりも、じわりと相手をねじ伏せていく走りには、シーザリオ直系の“芯の強さ”がはっきりと見て取れます。完成にはまだ時間を要するタイプかもしれませんが、その分、クラシック以降まで視野に入る奥行きを感じさせる存在です。
次に、血統の幅を象徴する存在として挙げたいのが、リオンディーズ産駒クレパスキュラー。芝・ダートを問わない適性の広さと、実戦での安定感は、リオンディーズが“万能型サイアー”であることを改めて証明しています。母系に息づくシーザリオの底力が、前向きさとタフさとして表れ、地方交流や条件を選ばない活躍が期待される一頭です。こうした馬の存在こそが、シーザリオ王朝の裾野を大きく広げていきます。
そして未来を語るうえで欠かせないのが、先日2歳G1朝日杯フューチュリティステークスを快勝したサートゥルナーリア産駒カヴァレリッツォです。父譲りの瞬発力と、母系から受け継いだ柔らかな身のこなし。その両方が若い段階からバランスよく現れており、“スピードと気性の二面性”がうまく噛み合った好例と言えるでしょう。サートゥルナーリア産駒が今後どのように評価を高めていくのか、その指標となる存在です。
この三頭に共通しているのは、タイプこそ異なれど、レースの中で簡単には崩れない強さを持っている点です。それは偶然ではありません。シーザリオが母として残した、体質の良さ、精神的な強さ、そして成長力が、世代を超えて安定して伝わっている証です。
エピファネイアが中核を成し、サートゥルナーリアがスピードの枝を伸ばし、リオンディーズが裾野を広げる──。シーザリオ王朝は今、単一のスターに依存する段階を越え、**複数の路線から次世代を送り出す“王朝型血脈”**へと進化しています。
これから先、クラシックを賑わす馬もいれば、古馬になって真価を発揮する馬、あるいは中央・地方を問わず活躍する馬も現れるでしょう。そのすべてが、一本の血の物語として繋がっていく。
シーザリオが遺したものは、勝利の記録だけではありません。
“続いていく物語そのもの”だったのです。
この先、誰が新たな主役となるのか。
答えはまだ出ていません。だからこそ、この血脈を追い続ける価値があるのです。



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